
世界的傾向
国際通貨基金の報告書『World Economic Outlook Oct.2007』(世界経済概要2007年10月版)では、過去20年間の傾向として、ほとんどの国や地域で所得の国内格差が拡大しているという。
主因としては「技術革新」と「金融のグローバル化」を指摘している。 一方で、よくいわれる「(貿易自由化といった)経済のグローバル化」については、「格差拡大と有意ではない」として疑問視している。
主要国の状況:
経済協力開発機構の2000年の統計
貧困率(全体の中央値の半分以下の所得を得ている者の割合)及び順位は以下のとおり。 日本は、加盟国の中ではアメリカに次いで二位となっている。
順位 国名 貧困率
1位 アメリカ 13.7
2位 日本 13.5
3位 アイルランド 11.9
8位 イギリス 8.7
国際通貨基金報告『World Economic Outlook Oct.2007』
ある国における最高所得層と最低所得層との比(最高所得層が、最低所得層の何倍いるか)は以下のとおり。 ちなみに日本は、報告書の対象としている国の中で、一番低い値(格差が小さい)となっている。
国名 比率 対象年
アメリカ 8.63 2000
イギリス 6.67 1999
フランス 4.11 2001
日本 2.28 2004
ロシア 7.65 2002
ブラジル 23.45 2003
中国 12.20 2004
インド 5.51 2003
メキシコ 11.25 2004
資料出所:IMF『World Economic Outlook Oct.2007』
総務省の発表によれば、2004年の日本のジニ係数は0.278で、1999年より0.005上昇したとされる(しかし逆に家計調査では1999年より0.018減少している)。 これは比較可能なOECD加盟国24か国の中で上から12位に位置し、国際的に中位に位置すると同省は評価している。
経団連の発表によれば、2000年の成人一人当たり純資産のジニ係数は、G7中最も低い0.547であり、日本はG7中最も保有資産の格差が少ない国となっている。
日本
現代日本の社会で「格差」を言う場合、主に経済的要素、それも税制や社会保障による再分配前の所得格差を指していることが多い。 ここでは経済的要素 に関する出合系および格差拡大について詳説する。
1998年頃に中流崩壊が話題となり、出合系論争が注目されるようになった。 主として社会的地位、教育、経済の3分野の格差が議論となっている。 2006年の新語・流行語大賞の上位にランクインしている。 日本社会が平等かつ均質で、一億総中流と言われていた時期(高度成長期からその後の安定成長期頃まで)においては、所得面での出合系が問題になることはなかった(ただし、諸外国と比較すると1980年代の日本の収入格差は大きかったという指摘がある)。 バブル期には、主に株価や地価の上昇(資産インフレ)を背景として「持てる者」と「持たざる者」との資産面での格差が拡大し、勤労という個人の努力とは無関係に格差が拡大したとして、当時問題視されることが多かったが、その後のバブル崩壊による資産デフレの進行とともに資産面での格差は縮小した。
2000年代に出合系がテーマとして取り上げられている際は、一定の景気回復を前提とした上で、企業利益・賃金の増加のアンバランス、ないしは、その陰で進行している不具合という視点が取られることが多い。 マスコミや野党などは、当初、単に出合系を指摘するものであったが、次第に格差の拡大、世襲化という点を強調する傾向が強まっている。 出合系を指摘する場合は、他国との比較において日本の出合系は顕著なものかどうかという視点が取られることが多いが、格差拡大を指摘する場合は、過去の格差状況との比較が中心的な視点となる。
小泉政権期のあいだに一種のブームとして種々のメディアを賑わせたこの言葉は、それになぞらえる概念、例として恋愛格差などの様々な概念の生みの親ともなった。
ただし、小泉政権以前から存在していた以上の格差が存在するようになったのか、格差が拡大しているのか、については争いがある(例えば、小泉内閣(2001年4月26日?2006年9月26日)において、非正規雇用者の増加が進んだと言われることがあるが、統計では小泉内閣以前から増加している)。 総務省の全国消費実態調査では、高齢者層における格差の縮小と、30歳未満の若年層における拡大傾向が見られる。
また、格差の実態を調査するため、様々な主体によって様々な統計が取られている。 しかし、格差が存在するか否か、現在どの程度の格差が存在するか、ということはある程度分かりやすいものの、その格差が問題のあるものか否か、階層間の遷移が不能もしくは困難となっているか否か、というような評価については論者によっても異なり、明確なものではない。
なお、諸外国との比較では、日本の格差は非常に小さいという(『World Economic Outlook Oct.2007』)。
過去の日本の出合系については過去の日本の出合系を参照のこと。
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